第7回生体恒常性とストレスセミナーを開催しました
第7回生体恒常性とストレス応答セミナーが、2011年1月27日(木)に医学部総合研究棟8階セミナー室において開催されました。今回は、水島 昇先生(東京医科歯科大学医歯学総合研究科細胞生理学分野・教授)をお招きし、「オートファジーによる細胞内分解の生理的意義と分子機構」というテーマでご講演いただきました。タンパク質ホメオスタシスは、主にフォールディングと分解のバランスによって保たれています。分解システムとして、オートファジーーライソゾーム系が古くから同定されていましたが、後に同定されたユビキチンープロテアソーム系の生理機能の解明が爆発的に進んでおりました。水島先生らのグループにより世界に先駆けてオートファジーを構成する分子の同定が進められ、遺伝子改変マウス等を利用した生理機能の解明が進み、その生理的意義がある程度判明してきました。本セミナーでは、ATG5遺伝子欠損マウスモデルを中心として、受精卵、出生直後、老化個体における機能を示されました。また、ミトコンドリアなどの選択的な分解経路についても言及されました。
この10年ほど、オートファジー研究の進展は急速に進みましたが、ようやくその生理機能の全貌が明らかになってきました。タンパク質分解は様々な生理機能と関連しており、多くの聴衆と熱心な議論が行われました。
(主催者)